マンションのロビーに、黒い影があった。 あたしは気にせず、横を通り過ぎたとき、 「あ」 「やっぱり!まのんちゃん!!」 呼ばれて振り向くと、棗の姿があった。 (げ…) 引き返し、マンションを出ようとする。 棗「え!?」 「マンション、間違えた」 棗「いやいや、ここでしょ」 「…………」 こいつには隠しごとができないな。 棗「…うん。二度手間だからしないほうがいいかも」 ニコッと笑う棗を見て、ため息1つ。 「何しに来たの?」