電車が通り過ぎ、静寂が訪れる。
あたしは蓮に手首をつかまれ、線路沿いの網に押し付けられていた。
ちょっと、気を許したからだ。
「ちょっ…何?」
蓮「だまれ」
そう、冷たく言い放つと、
――――まさかっ………
蓮の顔が近づく。
「んっ…ゃ」
後ろは無理。
右も左も無理。
力があって、あたしでも勝てない。
短いリップ音が響く。
……あそこしかない!
あたしは蓮のあそこを思い切り蹴った。
蓮「…いてぇな」
ようやく、唇を離し、
しゃがみ込む。
蓮は唇を拭った。
「何すんだよ」
自分の中の、ブラックが見えはじめた。

