今日彼女と別れた。正確には逃げてきた。彼女の家に置いていた衣類やら何やらを全部回収して。
 ごめんな。カンちゃん。卑怯な真似をしちゃって。でも、こういう別れ方でもないと、もっと君に依存してしまいそうだったから。
 今、僕の上着のポケットには、君に渡そうと思っていた手紙が入っているんだ。寸でのところで思い止まったけど、もしこの手紙を君の部屋に置いてきてしまったら僕の未練は更に大きくなってしまっただろう。
 君は僕との年令差をしきりに気にしていたね。五歳なんて大したことないのに。そんなことを言う君が可愛いやら幼いやら。うん、良かった。
 なんか言葉にならないや。わからない。でも淋しくて、申し訳なくて、辛い。こうしないと君をダメにしてしまうから。僕も愛想を尽かされてしまうから。
 最後に、ありがとう。さよなら。ごめんなさい。本当にごめんなさい。