桜が散る日

「春子ちゃん。
これ、この本読みたがってたろ?あげるよ。」



あ、北山さんの声。


「わぁ、うれしかぁ〜
でも、本当にもらっても?」




「うん。いいんだ…
もう読めなくなるから」





ズキンッ


何…この気持ち。

ぶんぶんっ



モヤモヤしたものを振り払って作業を続けた。