桜が散る日

「空襲警報じゃ!」




春子ちゃんは私の手をとって走り出した。





「防空壕はすぐそこじゃ!」





「根岸さん!はよう!!」


「先生!!」



防災頭巾をかぶった女性が

大きな穴の前で



必死に手招きしている。


私たちは

その穴へと滑り込んだ。