雪の華、君の香り、君ヲ想う

「まぁ、そう言わずに。」


直哉兄はそう言って俺の肩を
グッと掴んだ。


「いや、ホンマに無理やから・・・」


俺は頑なに断った。
本当は引き止めてくれて嬉しい、
でも親が怖い。


「そんなに親が怖いんか?」


「えっ!?」


直哉兄の低い声と、
親のことを出されたことで
俺は体が強張った。