「待て!! 死ぬな!!
死なないでくれ!!

頼む・・・

おまえを思い出にしないでくれ・・・」


「えっ・・・?」


俺は何故こんな言葉を
放ったのかわからない。
ただ無我夢中で彼女を止めた。

止めたかった。



彼女は目を大きく見開いたまま
俺を見ながら動きを止めた。


俺はゆっくり彼女に近づき
右手を差し出した。


「大丈夫。」


俺がそう言うと、彼女は
そっとこの手を掴んでくれた。

目にはまだいっぱいの涙。

俺が微笑みかけると、
彼女は俯きながら少し微笑んだ。


よかった。

俺はホッと肩を撫で下ろた。