真治は大きな病院の
末っ子として産まれた。

長男の雄介、長女のさくら、
次男の真治。

三人は幼い頃から父親の
厳しい教育を受けていた。
勉強勉強の毎日、
良い大学に行って、将来は三人で
この病院を継がすために。


まるで忠実に従うロボットのように、
父親は自分の思い通りに
三人を厳しく育てた。

自由を与えず、
友達と遊ぶ時間さえ与えなかった。

そんな毎日が嫌でも、
真治は従うしかなかった。


父親が怖かった。


異常なまでに厳しい躾。
恐怖に怯えた真治は、
逆らうという手段がなかったんだ。