雪の華、君の香り、君ヲ想う

「瑠香、ごめんな。
俺が勝手に啓にお願いしたんや。」


「えっ!?」


「この前、屋上で瑠香の歌聞いた時、
衝撃的やった。
おまえの声に感動した。

いや、なんて言うかな・・・
上手く言葉にはできひんねんけど、
めっちゃ心に響いたんや。

俺、その時思った。
瑠香は誰かを救えるって・・・

この歌声で、誰かを救えるって・・・」


「真治・・・」


「やってみいひんか?
おまえさえやる気があるなら、
誰かのために・・・
いや、自分のためにも、
歌を歌ってみいひんか?」


いつになく真治の真剣な顔、
瑠香は戸惑いを隠せなかった。