あれは寒い二月のことだった。
俺は一人の女子高校生を追って
ビルの屋上にいたんだ。

こんこんと雪が降り積もる中、
彼女は飛び降りようとしていた。


「来ないでっ!!」


「待て、落ち着け。
とりあえず話をしよう。」


俺は一歩ずつ女子高生に近寄った。


「話なんてない!!
私は死ぬんだから!!」


この女子高生は酷いいじめに合っていた。
体中に痛々しいアザがあり、
思わず目を背けてしまうぐらいの。