でも今は藍とデート中だ。

藍に心配かけないためにも笑ってよう。

──────


「ただいまー。」


「...」


...??
藍...様子がおかしい??


「藍??」


「...里奈って誰??」



...え??



「ケータイ。鳴り続いてるよ。」



...あ、俺ケータイ置いたまま...

しかもディスプレイには『里奈』



藍と付き合う前からあいつの名前、変えてないから...



「出ないの??」



藍に聞かれた。
でもきっとここで出たら藍はすべて知ってしまう。




...いや、もう気付いてるかも


「あとでかけるから。」
って言おうてしたら藍に遮られた。


藍は悲しい目をしてた。

俺がこんな顔させてるんだ...

智也じゃない、俺のせいで...




もう嘘はつけない。


正直な気持ちを言おう。

藍には全部話そう。




藍は離れていくかな...

嫌いになるかな...


でも俺...藍と離れたくねぇ...
大好きなんだ。


すべて話すと、藍は泣き出した。


俺が...泣かせちまった。
ごめんな...あい...



わがままで、自分勝手で
欲張りで、嘘つきでごめん...



藍は「あたしだって、龍と離れたくない...」って言った。




この時俺がはっきりしてれば

藍に辛い道選ばせてなければ

藍はもっと笑ってられたのかな...





でも俺には...

藍と離れるなんて出来なかった。

藍...ほんとにごめんな...

弱くて、ごめん...