「あのね、陸くん...。」


私達の間に秘密はつくらない。

いつしかそんなルールが出来ていて

私は迷ったものの、、、

陸くんに過去を話す事にしたのだった。




「実は私、父親がいないの。」


少し驚いたような顔をした陸くん。


「私の母は水商売をしてるの。
それで客との間に身篭ったのが私。
だから父親の顔も名前も知らないの。
母に聞いたって教えてはくれないし。」



実は小さい頃からベビーシッターに
預けられてて

小学校の時だって授業参観に来たことは

一度もなかった。


遠足も運動会も私のお弁当はコンビニ。




酒に酔って帰ってきた日には

娘さえいなければ別の人生があった。

なんて良くグチをこぼすのだった。



そんな母でも私にとっては唯一の母親。

だから大切にして、嫌なことも我慢してきた。


だけど、ある日、、、

お前なんて産まなきゃよかった。

そんな言葉を投げかけられた。


それは余りにもキツイ言葉だった。