お昼休みが終わって教室に戻ると

『柏木さん、アオイくんと付き合ってんの』

振り返ってみると、さっきアオイに話し掛けてた男子。

『別に付き合ってないよ。』

『そぉなのでも、仲よさそうじゃん』

『だって、アオイは皆と仲いいじゃん。クラブとかバスケとか。』

『前はよく来てたけど、今は全然来ないんだよ。まあ、あんなコトあった後だから、最初はソッとしておいたんだけど、久々に会ったら元気そうだったから来いって言ってんのに、ガッコーにすらほとんど来ない。やっぱ立直れてないのかな。』

『あんなことって』

あたしの知らないアオイ。
やっぱり仲良くなんかないよ。あたし、アオイのコト全然知らない。

『え知らないのアオイくん目立つから、皆知ってるもんだと思ってた。』

そう言って、複雑そうな顔をする。

『ねぇ、何があったの』

『知らない方がイイこともあるよ。』

『気になるから教えて。』

『悪い、先生来たから…。』


なんだろう…
そんなに言いにくいことって…

アオイは何も話してくれない。聞かないと教えてくれない。

あたしはアオイに知って欲しい。だからアオイのコトも知りたい。


アオイがスキだから。