からっぽの恋

何が起こったか

理解できなかった。




唇から

感触が離れる。

視線が重なると

直ぐに彼の唇が戻ってくる…










さっきとは違う











大人のキス














嫌ではなかった。

どちらかと言うと

面倒なので好きにさせておいた。











息ができなくて


苦しかった


唇が離れると

ようやく呼吸が出来て

肩で呼吸をする。


彼は私を抱き締めて


髪を撫で始めた。





くすぐったかったけど


心地よかった。



人に撫でられたのも



初めてかな？












「怒らないの？」


「何で？」


「いや……
急にキスしたから…」


「あぁ……そうゆうの…
よくわからない。」


「へっ？」


「好きとか…そうゆう話？
それとも大人の遊び？
どっちにしても、
私には理解できない。」



私は彼の緩んだ腕から脱け出すと

ソファーから立ち上がる。


「待てよ…」


すぐさま手を掴まれる。


「何とも…何とも思わない？
ドキドキしない？」


「しない。」


彼の問いに速答する。

ガクッと彼の肩が落ちる。


「そんな…ハッキリ言われると
ショックなんですけど。」

凄く落ち込んだ様子。

配慮が足りなかったかと

謝った。