双子☆Love Another Story

「……なるほどね。気持ちは分かるよ。」




僕はその日の夜に佑樹に話をしていた。




「……で、俺にどうしろって?」




「とりあえず、来週の日曜日、僕たちに付き合ってほしい。」




「いいけどさ、それでどうするんだよ?」




「途中で僕と佑樹が入れ替わる。」




……それが僕の考えだった。




「いいのか?その子を騙す形になるぞ?」




「……それで見抜けなかったら、やっぱり洋子ちゃんも他の子たちと同じだったってことだよ。」



僕は多分洋子ちゃんをそのうち好きになれると思う。



そして、洋子ちゃんも僕に少なからずの好意を抱いてくれているから、わざわざ自身の棟と遠い僕の棟までやってきて、



僕を映画にまで誘おうとしている。




だからこそ、またあの悲しみに浸らなければならないかという恐怖があった。




僕には、もう傷つく余裕はない。