「…えっと……あたし…、美……西本さんに宿題を写してって頼まれて…それでやっていたら“ありがとう料金”と言って2万円を貰ったんです。きっとそのこと忘れて西本さん…」
「ああっ、思い出したわ!…先生……あたし笹村さんに2万円を………かつあげされたんですぅ…!あたし笹村さんが怖くって…2万円……渋々渡してしまって…宿題は、笹村さんが写させろって…!!」
美和は肩を震わせて泣きじゃくった。
や…やめてよ……。
どゆこと??
あたしが全部悪いみたいじゃない。
美和………
訳わかんないこと言わないでよ…。
え…、美和…。
宿題は美和が写せって……
2万円だって無理矢理押し付けてきたわけじゃん…!
意味わかんないっ!
何が目的なのっ?!
美和…!
「どうなんですっ?!笹村さん!西本さんからかつあげした上に宿題を写させろ?!どういう神経をしていたらそんなことができるんですのっ!!西本さん…泣いてしまわれたわよ。早く謝って西本さんに2万円を返しなさい!」
ザマ子があたしに怒鳴り散らした。
「だから…っ、あたし西本さんからかつあげもしてないし……。宿題だって写しといてってノートを受けとっただけで…。」
あたしは必死に身の潔白を訴えた。
けど、
届かなかった。
あぁ……そういうことね。
結局教師は理事長の娘の美和が怖いんだ……。
………
…
……………
……
………
…
……ただの弱虫め。
権力のあるひとを味方に付けてがっぽりって魂胆ね。
お見通しよ…。
あんたたち教師の考えることなんか…ね。
「そうです。あたしがやりました……。」
ふふ…ならとことん踊らせてやるわ。
美和が目を丸くして驚いている。
「やっぱりね、西本さん…もう泣かないで。あなたはひとりじゃないわ。…………笹村さんっ!早く謝って頂戴!!西本さんが…っ」
「って言えば満足なんだあ?…………あんたたち教師はどーぉせ理事長の娘ってだけの美和が好きなんでしょ……?バレバレよ。」
あたしはあたしじゃないみたいにニヤニヤとザマ子を見て暴言を吐いた。

