きょとんとした顔になったナチ。








とんでもないことを言ってしまったって自覚したって、そんなのもう今更遅い。









と思っていたのに、ナチの口から出た言葉は意外なものだった。











「知らないも何も……
ナチって名前も杏里が決めたんじゃん」










「ほぇ?」









ナチがトンチンカンなことを言うから間の抜けた返事をしてしまった私。









「どういうこと…?」









「あ……いや、いいよ。
気にしないで。
俺の名字は岩科だから」








「岩科千里?」








「そ♪
平仮名にして書いてみ♪」








私はそう言われて指で砂の上に平仮名で書いてみた。









い わ し な ち さ と










むぅ~?









「あ~…カタカナのがよかったかも?」









ナチがそう言ったとき、わかった。








「真ん中!!
名字と名前の真ん中が繋がってるんだ」










い わ し "なち" さ と








すごい考えだ。








普通考えつかなくない?
こういうこと。










自分で発見できたことに喜んでいた私の横でナチは微笑ましく見ていた。