「だから言ったでしょ?
“またね”って」









ピースして私の顔の目の前にまで腕を伸ばした千里くん。








いたずらっ子みたいにへへって笑った顔が可愛かった。










「ふふ、そうだね。
千里くんの言った通りになった。」









「そういうことじゃないよ。
杏里ちゃんとまたこのカフェで会えたのは単なる偶然にしかすぎないんだよ」










そっか。








それじゃあ、千里くんてただ単に運がいいってことなのかな…?











私たちはそれから20分くらい他愛もない話をしてからカフェをあとにした。










千里くんは送るって言ってくれたけど私は真っ直ぐ家に帰りたくない気分だったので断った。










近所の公園まで行く途中、3日前の千里くんと今日の千里くんを思い出していた。










別にどちらも千里くんに変わりはないのだけれど、今日の千里くんの方が少しだけ活気づいていた。






…うまくは言えないけれど。









『悩みとかあるのかな……』










それだったら早く解消してほしいって思った。








まだまだ出会ったばかりだけど、どうしてだかずっと昔から知り合いだったような感じがするんだ。









私は近所の公園の入り口まで来ると入らずにそのまま家に向かって歩き出した。