恋のベクトル｡

｢高梨遅いっ!｣

｢…お前が早いんだろ｣

｢うっさい!さっさと走って
勝ち負けはっきりしてやる!｣


そう宣言されてｽﾞﾙｽﾞﾙと
ｽﾀｰﾄﾗｲﾝまで腕を引かれた｡

元はと言えば野崎をﾘﾚｰﾒﾝﾊﾞｰに
入れる､入れないの話じゃ
なかったっけ?と首を傾げる｡


｢お二方､準備はできた?｣


陸上部の部員の問い掛けで
ｺｰｽに入ってｽﾀｰﾄ体勢を作る｡





｢位置について､用意……｣







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