「ん?なに!?どうなってんの」


どこからかスピーカーからでているような声が聞こえてくる。



―……ト

―…ヤト

―ハヤト

―ハヤト

―ハヤト


「ハヤト起きろぉ!!」


その声で現実に戻された。声の主は綾香だった。

ハヤトが起きた頃には1限目の終わり頃で、前の黒板には多くの数式がかかれている。


「やばい。眠っちゃった」

焦るハヤトに、隣の席の綾香が追い討ちをかける。


「なぁーにが『眠っちゃった』よ。あんた1限目が始まる前から眠ってたし、私が何回起こしても起きない。それに迎えに行ったにときも………」



綾香はそれ以上は何も言わず、そっぽ向いてしまった。