☆陽菜未side☆

「失礼します」


静かにドアを開ける。



「ああ、君だね?原田陽菜未さんは」


…そう。私の“今”の名前は原田陽菜未。本当はこの名前で生活したくないんだけど園長先生が…

《名字がないのはマズいわ。とりあえず“原田陽菜未”として登校してね?》


というから仕方なく…

まあ、一番馴染んでるからいいんだけど。



「僕は担任の高山妃茶。担当教科は英語。よろしく」



「…よろしくお願いします」


「じゃあクラスまでいこうか」





廊下を高山先生と歩く。



「原田さんはスズラン園の子なんだって?」


「そうです」



「僕もあそこにお世話になったんだ。妃茶って名前も、園長先生がつけてくれた」