「知らなかったな。
美桜ちゃんが、雪奈と知り合いだったとは」


リビングに入った瞬間。


ソファに腰をおろした瑞貴サマが、ティーカップを下ろしながらそう言った。


「それ以上に驚きだったのは。
キミたちが、家を訪ねるほどの友達だったということだ」


話している間中。


瑞貴サマは、なんの感情も浮かんでいないような静かな瞳を、ずっとあたしに向けていた。


「楽しかったかい?」


急に聞かれて戸惑った。