「うっわぁ。
ごめんなさい。
ごめんなさい」


なんにもしていないのに、ついつい大急ぎで謝ってしまう。


手を離してくれた人に向かって、深々と頭を下げる。


「あたし、あの。
怪しいものじゃあ、ないんです。
柊真に。
いえ……柊真くんに返さなきゃいけないものがあって」


「…………」


「ポストに入れておこうと思いまして」


「…………」


まだ入れる前だった手紙をギュッと握り締める。