アイドル様と☆甘きゅんラブ【完】

小さい頃から、よくしていた遊び。


たぶん、お兄ちゃんが教えてくれたんだと思う。


「せっかく久しぶりの学校だったのに。
あたしのせいで、ごめんね」


「べーつに。
美桜のせいじゃねーよ。
そんなことより……」


――ドスッ……。


お風呂のドアにもたれて、お兄ちゃんが座った気配がした。


斜め後ろを振り返ると、ドアの向こうに、お兄ちゃんの背中がぼんやり見える。


イヤなことがあるたび、バスルームにこもるのは、小さい頃からのあたしのクセ。