「美桜ちゃん。 どうしたの?」 クセのないサラサラの髪を揺らし 「ん?」 瑞貴サマがあたしの顔をのぞきこむ。 「あぁ、顔が真っ赤だね」 物憂げな印象漂う優美な瞳を優しく揺らし 「君はわかりやすくて可愛いよ」 少し薄い唇を持ち上げて、クスリと笑う。 「ほら、そんなに恥ずかしがらないで」 白くて細い、神経質そうな長い指であたしの頬にそっと触れ 「こちらを向いて」 誘うような甘い声を、あたしに落とす。