半熟cherryⅡ


「水泳の授業で裸になったトキ。
郁が背中に明らかに爪の跡、みたいな引っ掻き傷つけてきたんだよね」



『ケンチャン?!ちょっと待て!!』



その話はしちゃいけない。

なんで今それを話すんだよ!!



「で、先生が“何だ、その傷は”ってワザとらしく聞いたんだよ」


『アツシ!!』



…ホント、止めてくれ。


自分がしてきたコトとはいえ。

誉められたモンじゃない。



「そしたら郁が“…オトコの勲章デス。昨日たっぷり鳴かせましたから”ってイヤミたっぷりに言ったんだ」



ケンチャンは俺のマネをしたのか。

目を細めて笑った。



「その後先生の機嫌悪くて大変でさ〜。
空気ピリピリしてるし、郁は“背中痛くて入れねぇ”とかデカい声で言うし」



呆れたようにアツシが言葉を続けた。



「…うわ、サイテー…」



ほれ見ろ。

一美センセイ、完全にひいてんじゃん。





「でもコレ、オチがあるんだよ♪」





ケンチャンがニッコリ微笑んだ。