「水泳の授業で裸になったトキ。
郁が背中に明らかに爪の跡、みたいな引っ掻き傷つけてきたんだよね」
『ケンチャン?!ちょっと待て!!』
その話はしちゃいけない。
なんで今それを話すんだよ!!
「で、先生が“何だ、その傷は”ってワザとらしく聞いたんだよ」
『アツシ!!』
…ホント、止めてくれ。
自分がしてきたコトとはいえ。
誉められたモンじゃない。
「そしたら郁が“…オトコの勲章デス。昨日たっぷり鳴かせましたから”ってイヤミたっぷりに言ったんだ」
ケンチャンは俺のマネをしたのか。
目を細めて笑った。
「その後先生の機嫌悪くて大変でさ〜。
空気ピリピリしてるし、郁は“背中痛くて入れねぇ”とかデカい声で言うし」
呆れたようにアツシが言葉を続けた。
「…うわ、サイテー…」
ほれ見ろ。
一美センセイ、完全にひいてんじゃん。
「でもコレ、オチがあるんだよ♪」
ケンチャンがニッコリ微笑んだ。

