茜には。

“充電してやるよ”

なんて言ったケド。



“茜不足”の俺が。

茜に触れたかっただけなのかも。



このまま。

俺の腕の中に閉じ込めておきたい。



そしたら。

“茜不足”になんかならないのに。

“郁不足”なんて言わせないくらい満たしてやれるのに。





腕の力を緩めて。

胸に頭を寄せている茜との間に距離を作った。



「……郁…?」



茜は不安そうに俺を見上げた。





『…俺にも、充電させて?』





そう言って。

茜の頬に手を添えた。



「ココ、学校…ッ…」



そんなのどうでもいい。

茜の言葉は聞こえないフリ。



俺はそのまま。

茜の唇に自身の唇を寄せた。