半熟cherryⅡ


『…ねぇよ。
いろいろめんどくさかったし』





“彼女”は人並みにいた。

でも。

会うのは外。



自分の家に呼ぶなんて考えは毛頭なかったし。

相手の家も家族に会ったりしたら面倒だし。



ウチに勝手に出入りするのは涼真くらいで。

男友達ですらめったに呼ばなかった。

俺のプライベートには踏み込ませたくなかったから。





「私も…こんな形じゃなきゃ郁の家に行くコトなかったカモね」





俺の耳に届いた小さな小さな呟き。

悲しげに、でも自嘲するかのように。

乾いた笑いが混ざった声。





「私、一人暮らしだし。
誰にも会わないから気楽だもんね」





“アハハ”と茜は笑うケド。

目は笑ってなかった。





…ったく。

自分で自分を“その他大勢”にしてんじゃねぇっつーの。





俺は茜の腕を引くと。

まっすぐ公園の中に入っていった。