『…どうぞ…』
「…おジャマします…」
母さんの圧力には逆らえず。
とりあえず茜を部屋まで連れてきちゃったんだケド…。
…どうしたらいいんだか。
進路相談なんて初めて聞いたし。
「いきなりゴメンね」
どうしていいのかわからない空気を割ったのは茜だった。
『いや、ビックリしただけ。
先生が来てるっつーから杉原がいるんだとばっかり思ってた』
副担の茜が“家庭訪問”なんておかしいし。
…じゃあ俺に会いに来たとか?
だったらわざわざ“先生”なんて言わなくたっていい話し。
なんて考えてたら。
茜がローテーブルの上に黒いファイルを広げながら言った。
「涼真も郁もHRいなかったから知らないケド。
杉原先生が昨日付けで辞めて。
副担の私が担任に繰り上がったのよ」
…は?
茜が、担任?
『…本気で言ってる?』
「クラスの子に聞いてみれば?」
…茜が、担任…。

