玄関を開けて。
聞こえてきたのは母さんの話し声。
「何考えてるんだかさっぱりわからないんですよ」
「あの年になって女の子も連れてきたコトないし。
ちょっと心配なんですよね」
「ひょっとして女の子に興味がないんじゃないかと…」
…おい、母さん。
今、その話。
シャレにならないから。
それに。
俺、彼女いますから。
我が母親ながらため息をつくと。
リビングのドアノブに手を掛けた。
「先生みたいに若くて可愛い人とつきあってくれればいいんですけどね〜」
聞こえてきた母さんの言葉に。
フリーズする俺。
…は?
若くて、可愛い…?
…可愛い…って。
杉原が来てるんじゃねぇの?!
バンッ!!
勢い任せに音を立てて開いたリビングには。
『…なん、で…?』
「遅いし、うるさい」
と、呆れる母さんと。
「おかえりなさい…おジャマしてマス…」
気まずそうにソファーに座ってる茜がいた。

