『…は?』





…今、なんて?



今、なんか。

スルーできないすごい言葉を聞いた気がするんだケド…。





『…誰が、誰に、何されたって?』

「郁が涼真に襲われた」





小声のアツシの言葉がまた耳に入ってくる。





…俺が、涼真に、襲われた…?





『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!』





ちょ、ちょっと待て!!

何をどうすればそんな話になるんだよ?!





俺、明らかに動揺してる。

それが自分でもわかった。





「昨日の放課後、保健室で見たってヤツがいるらしくてさ〜。
朝練のトキからその話ばっか。
…で、真相は?…って、郁?!」





“昨日の放課後”

“保健室”





その心当たりのありすぎるキーワードに。

俺は脇目も振らず教室へと駆け出した。