…視線を感じる…。





“明日、先に行く”



学校があるから、と自宅に帰った俺に。

涼真からそうメールがきて。

翌朝は珍しく涼真と別登校になった。





…にしても、この視線。

一体なんなんだ…?





校内に入るなり異様に感じる視線。

それは冷やかなモノと熱ッポイモノが交ざってる。





「おはよ〜、郁チャン♪」



“ガバッ”と背中側から腕をまわされる。

この声は…アツシだな。





『…郁チャン言うな』

「まぁまぁいいじゃん。
…あれ?ココ、どした?」





そう言ってアツシが指さしたのは唇の端。





『…ん?ちょっとな』

「また意味深だなぁ、お前」

『そーでもねぇよ?』

「…ところでさぁ…」





不機嫌そうに薄ら眉間にシワを寄せ。

いきなり小声になったアツシの口から。

耳を疑いたくなるような言葉が発せられた。





「お前、涼真に襲われたって…マジ?」