てめぇのつけたアトなんか。
俺が全部消してやる。
茜にアトつけていいのは俺だけなんだよ!!
…そんなコトに対抗意識を持ってしまう俺は。
まだまだガキなんだと思わずにはいられなかった。
『…杉原にどこ触られた?』
「えッ?!」
うなじに唇を寄せたまま茜に問う。
『杉原に拉致られて何されたか聞いてねぇ。
“あのメール”の意味も教えてもらってナイ。
ついでに6時間目一美センセイと何話してた?』
「…わ、忘れてるかと思っ…」
『忘れねぇよ。
納得いくように話してもらおうか』
そう言いつつも。
うなじに触れる唇はそのまま。
茜はくすぐったそうに体を捩った。
「杉原先生とはなにもないよ!!
ちょっと抱きしめられただけ!!」
俺の腕の中から逃げ出そうとする茜。
でも。
逃がさない俺。
『…抱きしめられてんじゃん…。
じゃあこの“アト”は?』
「はぁッ?!」
ちょっと意地悪のつもりで言ったのに。
茜はホントに知らなかったらしく。
「やっぱり訴えてやればよかった…」
そう呟いた。

