『…好きだ』
「う…ん…ッ」
腕の中で頷いた茜の髪が揺れ。
白いうなじが露になった。
俺の視線は茜のうなじに釘付けになる。
そこに存在したのは。
うなじに残る“赤いアト”。
…指導室を出るトキに杉原のヤツが耳打ちした。
“茜は色が白いから赤が映えるな”
あのヤロー!!
なぁにが“茜は色が白いから赤が映えるな”だ!!
耳打ちしてまで言うコトじゃねぇだろーが!!
“茜は色が白い”?
んなコト知ってんだよ!!
目の前で揺れてる“赤いアト”が俺を挑発する。
人のモンに“アト”なんかつけやがって…。
見れば見るほどイラついてきた。
『…茜、後ろ向いて』
「えッ?」
『いいから』
俺の思ってるコトなんてわかりもしない茜は。
勝手に“クルン”と向きを変えられて。
俺に後ろから腕をまわされた。
「…え…ッ?!」
そしてそのまま。
俺は茜の白いうなじに吸い付いた。

