視線を合わせていた茜の目が。
みるみるうちに潤んでいく。
「さっきは言ってくれなかった!!」
『学校でこんなコト言えねぇよ』
「今まで言ってたのに!!」
『だって俺、生徒だよ?
“生徒になる”って言ったデショ?』
「んな…ッ?!」
『カンチガイしてるようだから言うケド。
“生徒になる”とは言ったケド“生徒に戻る”とは言ってナイ』
「ヒドいーッ!!」
『なにがだよ』
話してる間にも。
茜の真っ赤な目からはボロボロと涙が溢れてきて。
拭っても拭いきれない涙が俺の指を濡らしていく。
『…他には?』
片手で茜の涙を拭い。
片手は茜の髪に触れると。
茜はさらに涙を零した。
「…生徒じゃイヤ…ッ」
『…うん。
俺も“ただの生徒”じゃいらんない』
茜の言葉とほぼ同時。
腕を引き寄せ茜を抱き締めた。

