半熟cherryⅡ


視線を合わせていた茜の目が。

みるみるうちに潤んでいく。





「さっきは言ってくれなかった!!」

『学校でこんなコト言えねぇよ』

「今まで言ってたのに!!」

『だって俺、生徒だよ?
“生徒になる”って言ったデショ?』

「んな…ッ?!」

『カンチガイしてるようだから言うケド。
“生徒になる”とは言ったケド“生徒に戻る”とは言ってナイ』

「ヒドいーッ!!」

『なにがだよ』





話してる間にも。

茜の真っ赤な目からはボロボロと涙が溢れてきて。

拭っても拭いきれない涙が俺の指を濡らしていく。





『…他には?』





片手で茜の涙を拭い。

片手は茜の髪に触れると。

茜はさらに涙を零した。





「…生徒じゃイヤ…ッ」

『…うん。
俺も“ただの生徒”じゃいらんない』





茜の言葉とほぼ同時。

腕を引き寄せ茜を抱き締めた。