「くれぐれも生徒の範疇を越えた行動はしないこと!!」
“戦闘準備”をすると言った俺に。
一美センセイが何度も言った。
『…わかってマスって。
…一美センセイまで茜と似たようなコト言うんデスね』
「茜に言われてもわからないみたいだから言ってるんじゃない!!」
『ありがたいご忠告、受け取っておきマス』
「ホントにわかってんの?!」
『わかってマスって』
なんて軽く聞いてたケド。
先に戻る、と。
屋上から校舎内へのドアに手を掛けた一美センセイが。
聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた言葉は。
まるで茜が言っているように聞こえた。
「…茜が守ろうとしてるもの…。
自分から壊さないで…」

