真っ直ぐに涼真を見据えて。
言葉を繋いでいく。
『…杉原は間違いなく俺を挑発してきてる』
じゃなきゃ茜を連れ出した、なんてコト。
わざわざ俺の耳に入るようにはしない。
「だからって今、お前が行って何ができんだよ」
涼真が呆れたように額に手をあてた。
『いや、今すぐには行かねぇよ。
指導室にいるなら隣は校長室、前は職員室。
悪さなんてできやしねぇ』
「じゃあ何をしにどこに行くんだよ」
俺の言葉に。
涼真は呆れたようにため息を吐いた。
『だから戦闘準備、だよ』
「は?」
涼真のその顔を見て俺は。
茜曰く“真っ黒”という笑顔を見せるように口角を持ち上げた。

