半熟cherryⅡ


真っ直ぐに涼真を見据えて。

言葉を繋いでいく。





『…杉原は間違いなく俺を挑発してきてる』





じゃなきゃ茜を連れ出した、なんてコト。

わざわざ俺の耳に入るようにはしない。





「だからって今、お前が行って何ができんだよ」



涼真が呆れたように額に手をあてた。





『いや、今すぐには行かねぇよ。
指導室にいるなら隣は校長室、前は職員室。
悪さなんてできやしねぇ』

「じゃあ何をしにどこに行くんだよ」



俺の言葉に。

涼真は呆れたようにため息を吐いた。





『だから戦闘準備、だよ』

「は?」





涼真のその顔を見て俺は。

茜曰く“真っ黒”という笑顔を見せるように口角を持ち上げた。