半熟cherryⅡ


足は自然に校舎の中へと向く。





「ちょ…郁ッ?!待て!!」

「逢沢クン?!」






涼真と一美センセイの声が。

俺の背中を追い掛けてくる。





「…待てっつーのッ!!」





“ガシッ”



涼真に腕を掴まれた。





『…なに?』

「…どこ行くつもりだよ」





眉間にシワを寄せて涼真が言う。





『…戦闘準備ってトコ?』

「なんだそれ。
お前、少し落ち着けよ」



俺の腕を掴む涼真の指に“グッ”と力が入った。





『俺は落ち着いてるよ』





“ハァ”とため息が漏れる。





涼真こそ落ち着け。

力入り過ぎて痛ぇっつーの。





俺は掴まれた腕を外すと。

真っ直ぐに涼真を見た。