「…桜井クン、どうしたのかな?」
一見、生徒を心配しているセンセイの図。
…が、しかし。
涼真が吹き出した理由がわかってるから。
茜の目は笑ってナイ。
「…さぁて、俺の席どこだっけかなぁ〜」
何かを察したのか。
涼真は一足先に逃げ出した。
「…年上かぁ、なんか意外だね」
ケンチャンまでニヤニヤし始める。
『そぉ?好きだったら年とかカンケーなくね?』
…好きになっちゃったら。
年とか立場とか。
そんなのどーでもいい。
俺は“茜”が好きなんだ。
「今まで遊んできた“ツケ”がまわってきて、郁が遊ばれちゃってたりして」
“プププッ”と笑うアツシ。
『…ま、アイツになら遊ばれてもいいカモ』
「うわッ!!郁らしくない!!」
……確かに。
“らしくない”発言。
でも、ま。
それだけ茜が好きなんデス。
ケンチャン、アツシが教室に入って。
俺も教室に入ろうとしたら。
“クイッ”
…ワイシャツを引っ張られた。

