半熟cherryⅡ


「“あの”郁をその気にさせた女ってどんなんか気になるじゃん」



“あの郁”って言うケド。

あの郁もどの郁も俺だっつーの。



しかも。

俺、“彼女の存在”自体肯定してねぇし。



「先輩?後輩?タメ?」

アツシがニヤニヤしながら言う。



でも。

“彼女”がココにいて真っ向から否定もできず。



「クッ…ププッ…」



…全てを知ってる涼真は。

肩を震わせて笑いを堪えていた。






『…年上。社会人だよ』



当たり障りのナイ俺の彼女の情報。

…まぁ、ウソはついてナイ。



「マジで?!オトナの女じゃん!!」

なぜか興奮気味のアツシ。



……“オトナの女”、ねぇ……。



チラリ。

視界の隅に入った、アツシに“オトナの女”と呼ばれたヤツは。

…俯いてる。



そして涼真は……。





「……ぶッ!!」





…………吹き出した。