「ん〜ッ、おいひい」
『…それはよかったデスね…』
ソファーに並んで座ると。
冷蔵庫から出してきたプリンを食べ始めた。
…2コ買ったプリン。
1つは俺に買ってくれてたらしい。
俺も。
彼女と微妙に距離をとりながら。
プリンにプラスチックのスプーンを差し込んだ。
プリンにのっていたサクランボが。
誘うように鮮やかに赤い。
サクランボを見ているとその赤さに飲まれそうになる。
「…ねぇねぇ」
『ん?』
ふいに声をかけられ隣を見ると。
彼女は指先で摘んだサクランボの茎を。
じっと見つめていた。
『…サクランボの茎、舌で結べる人ってキスがうまいっていうよね』
遠くを見るような。
何も考えていないような。
焦点定まらず、みたいな目をしてる。
『…俺、結べるよ?』
“ヒョイ”と彼女の指先からサクランボの茎を摘みとると。
口の中に放り込んだ。

