「ほら!!みんなも教室に行く!!」
イイ音は。
茜が手を叩いた音だった。
……なんか。
こうしてみると“センセイ”らしく見えるじゃん。
「…じゃあ続きはまた後でかぁ」
「一美センセーまたね〜」
茜に言われて。
渋々立ち上がるアツシとケンチャン。
「楽しみにしてるね〜」
手を振る一美センセイ。
…いやいや。
楽しみにしなくて結構デス…。
「…ところでさぁ」
保健室を出て教室に向かう途中。
アツシが何かを思い立ったようにこっちを向いた。
「郁の彼女ってどんな子?!」
『なんだよ、いきなり…』
また例のニヤニヤした顔をしながら。
アツシは俺の頬を指で突っついた。

