トントン。
突っ伏してる彼女の肩を叩く。
「…ん〜?」
彼女はモゾモゾ動きながら顔を上げた。
涼真の家で何度か会ったコトがあるから顔は知ってる。
…間違いない。
この人は“茜”だ。
『…迎えに、来ました』
「ヤダ。帰らない」
………………はい?
今なんて?
自分で迎えに来いって電話かけてきたんじゃ…。
「か・え・ら・な・い!!
これから慰めてもらうんだからぁ〜。
…ねッ♪」
そう言ってカウンターの中にいるバーテンダーに両手を広げた。
“慰めてもらう”?
意味がよくわからなくて。
バーテンダーの顔を見た。
するとバーテンダーは困った顔をして言葉を発した。
「さっきからフラれた、フラれたの連呼で。
慰めろって絡まれて参ってるんですよ」
…あぁ、要するにコレは。
フラれたヤケ酒なのね…。

