いくら涼真が相手でも。
ケータイ勝手に出た、とは言えない。
…ましてや今最高に機嫌が悪い。
とりあえず、着信履歴消しちゃえ。
証拠隠滅。
電話がなかったコトにすればいいんだ。
俺は急いで涼真のケータイからさっきの“茜”の履歴を消して。
またベッドにケータイを投げておいた。
そして。
上着を掴んで部屋を出た。
「あ?どこ行くんだ?」
玄関で靴を履いてると。
後ろから涼真の声がした。
『…ん〜、ヤボ用?ちょっと行って来る』
「ふーん。寒いから気をつけて」
『おう』
機嫌が悪いのもあってか。
口数少なく見送ってくれた。
…酔っ払い相手にバイクじゃ帰ってこれなさそうだよな…。
涼真はいつも何で迎えに行ってるんだ?
そこまで聞いたコトなかったし…。
それに。
後ろ乗せてケガさせたらマズい。
…仕方ねぇ。
駅まで走るか。
バイクに差した鍵を抜くと。
俺は駅までの道のりを走りだした。

