「揃いも揃ってなにしてるのかな?」
顔はニッコリ、声のトーンはお怒り。
登場したのは。
「「…茜チャン?!」」
音につられてドアの方を向いたアツシとケンチャンが声を上げた。
「始業式の後はクラス戻ってHRだって聞いてるよね」
保健室の入り口で仁王立ちをした茜。
「郁の武勇伝、ココからがおもしろいのに」
「逢沢クンの武勇伝、聞きたかったのに」
露骨にガッカリするケンチャンと一美センセイ。
「…逢沢クンの武勇伝?」
茜が首を傾げた。
「茜チャンも聞きたいっしょ?
“背中の引っ掻き傷”」
ニヤリ、と笑うアツシ。
そーゆー笑い方をするな!!
「何それ?」
ドアのところには。
興味津々に目を輝かせる茜がいた。
…茜サン。
そんなコトに興味を持たないでクダサイ…。

