半熟cherryⅡ


「公衆の面前でイチャついてんじゃねぇぞ〜」





どこから湧いてきたのか。

ニヤニヤしてる涼真が後ろから声をかけてきた。





『…覗きかよ。趣味悪ぃな』

「…最近郁がかまってくれないからさ〜。
寂しくなっちゃって」



“寂しくなっちゃって”じゃねぇよ。

結局覗いてんじゃねぇか。





「今回は続きそう?」

『…さぁ。どうだろ』

「ずいぶん冷めてんな」

『…否定はしない』

「好きでもないのにつきあうからそうなるんじゃねぇの」





乾いた笑いを含ませながら。

涼真は空を仰いだ。





相手が好きな女だったら。

違うのか?





……好きな、女……。