「公衆の面前でイチャついてんじゃねぇぞ〜」
どこから湧いてきたのか。
ニヤニヤしてる涼真が後ろから声をかけてきた。
『…覗きかよ。趣味悪ぃな』
「…最近郁がかまってくれないからさ〜。
寂しくなっちゃって」
“寂しくなっちゃって”じゃねぇよ。
結局覗いてんじゃねぇか。
「今回は続きそう?」
『…さぁ。どうだろ』
「ずいぶん冷めてんな」
『…否定はしない』
「好きでもないのにつきあうからそうなるんじゃねぇの」
乾いた笑いを含ませながら。
涼真は空を仰いだ。
相手が好きな女だったら。
違うのか?
……好きな、女……。

