半熟cherryⅡ


「…オチ?」

一美センセイが首を傾げる。



「そ。実際はみんなが想像してるような話じゃないってコト。
ね〜、アツシ♪」

「そーそー」

ケンチャンとアツシはニヤニヤしながら俺の方を向いた。



…も〜、マジでカンベンして…。



一美センセイに知られるってコトは。

茜の耳にも入る可能性大。

あんな話。

茜には聞かれたくないデス…。





いつの間にか輪を外れて。

ケータイをいじってた涼真と目が合う。



(じ・ご・う・じ・と・く)



涼真は真顔のまま唇をそう動かした。





「その背中の引っ掻き傷ってね…」



ケンチャンが笑いを堪えながら言葉を繋ぎだす。



興味津々の一美センセイの顔。

今にも笑いだしそうなアツシ。



1年も前の話。

いまさら出してくるなよ…。



俺はため息を吐いた。





その時。



“ガラッ!!”





いい勢いで保健室のドアが開いた。