インプラント

男はあっけにとられたまま動けない。
あまりの理解不能の展開に頭の情報処理が追い付いていない様子。
顔がフリーズしたまま動かない。


「さよなら!」


そう言って沙希は走り去った。


「まって!」


男は叫んだが沙希は走り去ってしまった。


「何をどう理解したらいいんだろう?
全く理由もなく突然ふられた。しかも突然に。そして唐突に。
なぜなんだろう?ふられた理由がわからない。なぜだ?」


支離滅裂に頭に浮かぶ言葉を口にする男。