ガラッ-・・・


瑠菜しかいない教室に足音が響く。
ふと瑠菜は顔を上げて周りを見渡す。


「「・・・」」

前川祐史と目があった。
が、返す言葉が見つからない。


ややややばい、
苦手だこの人っ...


さすがに人見知り無く誰にでもフレンドリーな瑠菜でも、クールで静かな人は苦手...


「...おは、よ」


あまりの沈黙に耐えきれず、目を反らして一言言い放った。


「おはーよおぉ」


よし、これで会話終了。


って...え?

『おはーよおぉ』って...凄い笑顔で、あの前川祐史が言ったのを瑠菜は聞き流さなかった。