レオが倒れた日から、私達の生活は少し変わった。
出来る限り。レオのそばに居たい。
少しでも長く。
一緒に居させてほしい。

私も。『彼』も。
仕事から飛んで帰った。レオは、酸素ボンベが必要な体になっていた。
肺に水が溜まって、うまく息が吸えない。
獣医さんは『水の中で、ずっと溺れている状態』だと言った。
何度も、病院に駆け込んだ。
『頑張れ!頑張ろう!』って声をかける私と。
『これ以上、頑張れなんて言われへん』って涙ぐむ『彼』。

レオを大切に思う気持ちは『彼』も私も同じ。
でも、深く思えば思うほどに、私達に少し距離ができたね。


レオは、倒れてから半月ほどして、桜が咲く季節に虹の橋を渡った。
昔、二人で観た映画のラストシーンみたいな桜吹雪が舞い散る中、私達は、レオに『ありがとう。』ってお別れをした。